釧路の丘から見る湿原の秋はさびしいものです。
人の心にしみ込む限りないさびしさも、この地の重要な観光資源かもしれません。
『挽歌』の桂木夫人が自らの生命を断ったのも、この冬枯れの湿原の奥でした。
それとは別に、この荒涼としたさびしい風景の申に、四角で灰色のコンクリート建築を置いたり、原色をむきだしにした建物をおいてみると、不思議に生き生きとします。
ここの風景にあてはまるから面白いのです。
それはこの湿原に日本には棲息しないといわれていた、キタサンショウウオが発見されたように、どこか日本的でない、大陸の香りがにじみでているからかもしれません。
戦後は北洋漁業の基地として、またそれと関連をもつ工業都市として、これまで捨てるにまかされていた湿原利用が、この街を大きく変貌させようとしています。
札幌旅行に来たものの物足りないという方にはおすすめの街です。