日本では、アメリカの古着ショップから仕入れてきて、それをアンティーク並みに扱って売っていたようです。
それをアメリカで古着ショップを知っている本人が、古着は安いのが魅力のはず・・・。
しかも、古着はすべての流行の芽を内蔵していることと、本物だけがもつよさがにあります。
これをアメリカ的にスーパーマーケット式に展開して、本当の古着のよさを根づかせようとチャレンジしたわけです。
・・・これが見事に当たって、古着ブームの火つけ役となったのですが、いま一つ、見逃せないのは開店テクニックです。
この青年は、地価の高い原宿でも、必ず眠っているスペースがあるはずだとにらんでいます。
そして、不動産店に探してもらうと、小さなビルの地下の倉庫が見つかりました。
ショップ用につくってはいないから、地下への入口は一メートルもありません。
それでも倉庫は80坪もあります。
広さのほうがポイントと、ここを借り、むき出しの壁もそのままに、商品だけは豊富に取りそろえました。
ビデオ・レンタルやCDソフト購入の頻度が高いのは、近住する外人たちです。
それに、東京に住むプロのミュージシャンたちが利用するのも、このWAVEとなってきています。
録音スタジオをもっている強味もありますが、プロも店内で買っている事実が、さらに共感を盛り上げていることはいなめません。
好きか嫌いかで選ぶ時代、気分で選ぶ時代、あるいはON・OFF時代など・・・
呼び方はいろいろありますが、東京では店が静かに主張し出し、ショップが客を選びはじめています。
そんな静かな胎動に気づかないと、ビジネス・チャンスも生まれてこないのです。
さて、東京では、生活者のライフスタイルを先取りしたショップがつねに芽生えています。
それはたとえ根無し草のようなところがあっても、確かにニーズを汲み取ったもので、ビジネス・チャンスを養っていくのに格好のネタを提供してくれます。
たとえば、大企業が最先端情報をつかもうと、資金を投入して競い合っている原宿でも、こんな店が、あたかも大手をあざ笑うかのように成功しています。
・・・それは、デプト・ストアという古着の輸入専門店です。
この店は、アメリカで暮らしていた30歳の青年が、同世代の経営者と組んではじめたものですが、そもそもの発端は、日本の古着ショップがあまりにも高いことでした。
あるレコードショップは、同じ感性でスコアーや音楽書、アート雑貨・音具などまでそろえてしまっています。
出来上がってみると、この館はこれまでにみられなかった新しいスタイルのものとなりました。
あそこにいけば、自分の音楽感性を共感できるということで、30歳を中心顧客としたアダルトたちが共有する館となっています。
・・・こうなると、館そのものが意味を持ち、同じ一枚のレコードでもビデオソフトでも、買うならWAVEという共感できるショップで買わないと満足感はえられなくなっていきます。
そして、WAVEで買った人同士が仲間意識をもち、共感しあってショップに対する信頼がますます高まっていくわけです。
・・・これは館がブランドになることであって、WAVEレーベルのレコードが発売されたのをみても、当然の成り行きだといえます。
WAVEは、六本木という地域にも大きなインパクトを与えています。
4時間で、消費ならぬ浪費し尽す街ともいわれる歓楽街の六本木で、レコード販売では全国でも3位となるショップが突然出現したのです。
このショップに、六本木に住んでいる外人たちがすばやく反応したのも面白いですね。